「命すら惜しまない任務」

A. 夢中で読ませていただきました

 1月に入って、御翼の読者から、以下のようなメールが順先生に届き届きました。
 「今年もよろしくお願い申し上げます。御翼1月号をありがとうございました。明るい陽だまりの中で、夢中で読ませていただきました。とても幸せな気分です。今年も御翼が、私を励ましてくださるでしょう。」(クリスチャンの主婦)
 人々に信仰による勇気、希望、そして愛を与えるのが私の任務だと、「御翼」を発行している順先生は思っておられます。「任務を果たせれば、命すら惜しくない」と使徒パウロは言っています。

B.聖書より

しかし、自分の決められた道を走りとおし、また、主イエスからいただいた、神の恵みの福音を力強く証しするという任務を果たすことができさえすれば、この命すら決して惜しいとは思いません。使徒言行録20章24節
 神さまのお導きでエルサレムに向うことを決心したパウロは、そこでも迫害に遭うことは分かっており、安全の保証はありませんでした。「神の恵みの福音」とは、イエス様の十字架の贖いによって、人の神さまの御前におけるいっさいの罪が赦され、神の子としての祝福が与えられることです。信仰のゆえに迫害されたとき、それに耐え、迫害に打ち勝つ道は、自分の使命が何であったかをはっきりさせることと、自分の歩みを神にゆだねることの二つです。神さまに送りだされる時、その人には聖霊による神聖な力と祝福とが伴い、その任務に必要な能力が与えられるようになります。

C. 死は報われると信じています―キング牧師

 「私は自分が正しいと思うことに進んで命を差し出します。自分の信念に従い、誠実に行動すれば、その死は報われると信じています」生前、キング牧師はテレビのインタビューで、こう答えていました。1964年、非暴力主義で公民権運動を進め、公民権法を制定させた中心人物が、キング牧師です(公民権とは、参政権、公共施設において、人種や宗教、性別、出身国による差別を禁止する法律)。キング牧師は同年、ノーベル平和賞を受賞しましたが、その4年後の1868年4月4日、白人青年ジェームズ・アール・レイにより暗殺されます。キングは25歳の頃から、常に危険にさらされ、安全な生活とは殆ど無縁でした。家が爆破されたり、刺されたりしたせいで、死は避けられないという思いを抱くようになっていました。
 犯人のジェームズ・アール・レイは、白人の貧困労働者階級の中でも、特に貧しい家庭で育ちました。「黒人にほんの少しでも自由を与えたら、仕事を奪い合うことになる。そして、自分の持っているものすべてをとられてしまう」と感じていました。人生の落後者だと思ったレイは、キングのような高名で力のある人物を殺すことで英雄になれると思っていたのです。
 暗殺される前夜、キング牧師はメンフィスの教会で、以下のように演説しました。
 「メンフィスに入るとき、ここにある脅威を心配する者もいました。病める白人兄弟たちが私に何かするかもしれないと。先には困難な日々が待っています。しかし、それは問題ではない。私は山頂にたどり着いたからです。心配はしていません。皆さんと同じように、私も長く生きたいと思います。長生きには価値がある。でも、それに執着はしません。神の御心に従います。神は私が山に登ることをお許しになりました。私が見た約束の地へは、皆さんと一緒には行けないかもしれません。でも我々は、一丸となって約束の地にたどり着くのです。私は今夜、幸せです。何も心配してはいません。どんな人物も恐れてはいません。主の再臨の栄光を目にしたのですから」と。
 「私は今夜、幸せです。何も心配してはいません」と、暗殺の直前のスピーチで、キング牧師は言いました。それは、神さまの栄光(真理)がこの世に現われる任務を果たしていたからであり、その精神は受け継がれています。

D.結び

 神の御前におけるいっさいの罪が赦され、神の子としての祝福が与えられるという恵みを、宣べ伝えるという任務を持って、誰もが生まれてきました。その任務が果たすことを、地上の命よりも優先させるべきであり、それが、満ち足りた、幸せな生涯の秘訣なのです。命も惜しまない任務に就くことが幸せにつながります。御翼2011年2月号その4より

 
  
世界で活躍したクリスチャン HOME